雪山での水づくり

概要

雪山で必ず行う作業といえば水づくり。雪山ではそこら辺に積もっている雪を溶かせば水ができるので、重い水を持ち運ぶ労力から解放される。一方、雪から水をつくるというのは思ったより時間がかかるので、新たな労力が生まれることでもある。ここでは効率的に美味しい水を雪山で得るための方法をまとめる。

入手

ふわふわの新雪よりも、下の方で押し固められているザラメ状の雪の方が密度が高く効率的に水にできる。つららが入手できればベスト。もちろん液体の水が入手できれば溶かす必要がないから、沢があれば利用する。

テント場についたら、汚れていなさそうな場所を探して、ビニールの袋に1泊分の雪を集めておく。スーパーの袋だと破れてテント内に雪がこぼれてしまうことがあるので、厚手の袋が良い。雪の密度と人数にも依るが、30Lくらいの袋で十分。雪が足りなくなったらまた調達すれば良い。

溶かした雪は自分たちの口に入る物なので、貴重品を扱うようにそっと袋に詰める。スコップでガシガシと集めると、スコップの金属臭が雪にこびりつくことがある。雪面の一番上をそっと払い除け、内側の真っ白な部分を集める。

溶かす

コッフェルに雪をいれ、もし水があればその水も加えてストーブの火力を大きくして雪を溶かす。スプーンで雪に切れ目を入れ、蓋をして、雪が溶けてスペースができたら新たな雪を投入し、またスプーンで切れ目を入れ、というのを繰り返す。

雪を溶かしているとコッフェルの側面や底面が結露して水滴が付く。水滴があると熱を奪われてしまい雪を解かす分のエネルギーが無駄になってしまうので、こまめに結露をふき取るのがコツである。

水筒に入れる

溶かした貴重な水はテルモスかプラティパス等の水筒に移す。このとき、折り畳み式のジョウゴとフィルターがあれば効率的にコッフェルから水筒に水を移せる。シリコンのジョウゴが100円ショップで入手できる。フィルターは、いろいろ試してみた結果、キッチンの三画コーナー用で目の粗い不織布製のものが良い。こちらも100円ショップで入手可能。サイズが大きすぎる場合が多いので、予め必要十分なサイズにカットしておくのが良い。
水を全部水筒にいれずに少しコッフェルに残して置き、引続き雪を投入する。

水の保管

お湯にしてテルモスに入れておく。それだけでは翌日の朝と行動分には不足するので、プラティパスやペットボトルに入れる。テルモス以外はテント内に雑に保管すると凍ってしまうから、体に近い部分(隣人のシュラフとの間とか)に置く。