甲斐駒ヶ岳 (2011-12-03〜04)
メンバー:崎間(L、記)、kinaco
2011-12-03(土) [雨]
竹宇駒ヶ岳神社7:40 → 14:40七丈小屋テン場
前夜に自宅を出発し、雨の中央道を走り、竹宇駒ヶ岳神社の駐車場に深夜1:00頃到着。ささやかな宴会後、車中泊。目覚ましの設定を間違ってしまい、5:00に起きるはずが6:30起床になってしまった。車の外は相変わらずの雨。登るか、それとも中止しようか迷うが、kinacoさんと相談し、訓練のためと割り切って登ることにする。久々にカッパ上下を着て、出発。
駐車場から5分ほどで竹宇駒ヶ岳神社に着く。神社横の吊り橋を渡ると登山口。長大な黒戸尾根を延々と登る。登山道に雪は無い。雨で濡れた落ち葉がきれいだ。五合目小屋跡から七丈小屋の間には所々梯子と鎖場があり、ちょっと怖い。14:40、出発から7時間後、ようやく七丈小屋に辿り着いた。小屋で受け付けして、幕営料金1,200円(600円×2人分)を払う。小屋には単独行の方が一人だけだった。小屋の主から、「明日は荒れると思いますよ」と忠告を頂く。
テン場は小屋から登山道を5分くらい登ったところにあり、広くて平らで快適だ。ガスの切れ間に鳳凰三山が見える。晴れていたらもっと展望がいいのだろう。軽量化のため、今回のテントは1人用(エスパースソロ)だ。少々窮屈だが2人で必要十分という感じ。ブランデーを飲みながら、カレーとおにぎりの夕食を採る。登りの疲労と平日の仕事疲れからか、17:00頃にはもう眠りに着いた。
2011-12-04(日)[快晴]
七丈小屋テン場5:50 → 9:10甲斐駒ケ岳9:20 → 10:40七丈小屋テン場11:50 → 16:00竹宇駒ヶ岳神社
夜間はごうごうと風の音が鳴り響いており、まるでジェットエンジンの燃焼試験場の近くにいるみたい。2:00頃テントから顔を出して外をのぞいてみるが、一面ガスに覆われていた。再びシュラフに包まってまどろみ、4:30頃テントの外を見ると、満天の星と街明かりがくっきりとみえる。快晴だ。携帯で天気図を確認すると、本州にいた低気圧は通り過ぎ、西高東低の気圧配置に変わっていた。北からの強風が心配だが、しばらくは晴れそうだ。
インスタントラーメン1袋におにぎりを入れた朝食を2人で分けて食べ、紅茶を沸かしてテルモスに詰める。アイゼンを装着しようとすると、ベルトが凍結していて締めるのに難儀した。昨日の雨で濡れたままテントの外において置いたからだろう。テン場は南側にあるため北からの風はほとんど受けないので、テントは張ったままにしておく。
5:50出発。辺りは白み始め、東の空と地面との境目は山吹色の線になっている。気温は-15℃。強風の音に少しだけ怯えながら、山頂での大展望に期待を膨らませて雪面を登る。雨で表面だけ硬く締まった雪は、踏み込むと石膏ボードのようにバキっと割れ、その下の軟らかい雪の底に山靴が少し沈み込む。
8合目に着く頃には完全に夜が明け、青空と白い雪のコントラストがまぶしい。遠く、甲斐駒ケ岳の山頂がみえる。止まると寒いので黙々と歩く。いくつか鎖場を通過する。いいアイゼントレだ。9合目を過ぎた辺りで一度休憩を取り、紅茶を飲む。ポケットに入れて温めていたどらやきでエネルギーを補充する。体温を奪う冷たい強風に耐えながら、少しずつ高度を上げてゆく。登るにつれ、ぐんぐん展望が良くなってくる。
9:10、甲斐駒ヶ岳山頂に到着。辺りに雲は無い。この空の青さはどうだ。冷たい大気中に北岳、仙丈ヶ岳、鳳凰三山、八ヶ岳、富士山、北アルプスが浮かぶ。ときおり風が吹き荒れ雪煙が舞う。すばらしい景色だ。何といっても雪に覆われた北岳の存在感が圧倒的だ。つぎはあの頂きに立ちたい。2人並んだ記念写真をセルフタイマーで撮ろうとするが、カメラを置くと風で倒れて上手く映せなかった。寒いので滞在時間10分で山頂を後にする。
来た道を慎重に降り、10:40、テン場に帰り着く。下りの途中で、つま先の感覚がなくなっていたので、一応靴を脱いで足の状態を確認してみる。変色はしていないので大丈夫そうだ。テントの中でラーメン1袋をつくり、昼食とする。テントを撤収し、長い尾根にやや不安を抱きながら、11:50、下山を開始する。
朝方に雪が降ったらしく、5合目あたりまで薄っすらと雪が積もっている。地面は凍結していて、昨日登ってきたときよりも歩きやすい。延々歩くこと4時間強、16:00に竹宇駒ヶ岳神社に辿り着いた。最後の一時間は太ももが張って、長い下りにちょっと嫌気が差した。その分、無事下山できた安堵感に浸ることが出来た。