上高地アイスクライミング

最終更新日

ロクスノ57号(2009年)に掲載された上高地のアイスクライミングエリアへ、KTBさんと二人で行ってみた。

2013-03-16(土)

東京5:00発、坂巻温泉に9:00着。2日分の駐車料金1000円を払う。釜トンネルを抜け途中まで除雪された林道を歩き、大正池に10:30着。ホテル横にテントを張る。春のような陽気で暖かい。

クライミング装備だけ持って11:00出発。中仙丈沢に架かる橋から沢にトレースが伸びている。雪は締って歩きやすい。アプローチ途中の岩場は右岸を巻く。12:00、氷瀑エリアに到着。一角獣を登りたかったが、先行パーティーが取りついていた。Zを登ってみることにする。

1. Z(1ピッチ目)[IV+] ×
出だしから垂直パート。氷が硬すぎて歯が立たない。力任せにアックスを振るとバラバラと壊れてしまう。ちょっと登ったらすぐにパンプし、上まで抜けられる気がしないので、クライムダウンで回収。やさしいルートへ移動しよう。

写真:右がZ、左奥が一角獣・ジョーズエリア

2. ミルキーウェイ(1+2ピッチ目)[III] OS
こちらは草付きのナメ。下部は氷が薄くスクリューが奥まで入らない。20mくらい登ると氷がしっかりしてきて快適。2ピッチ目までつなげて50mロープ一杯まで伸ばす。

3. ミルキーウェイ(3ピッチ目)[IV-] OS
短いが垂直パートがあり、氷も硬すぎずで、登っていておもしろかった。長さがあるので充実感を感じた。50mの懸垂2回で下降。

写真:ミルキーウェイ全景

ロープを回収すると16:00。もう1本登れないこともないが、大人の余裕で下山。途中、登りのときに巻いた岩場は、灌木で懸垂下降する。大正池と焼岳を眺めながらKTBさんの中華火鍋で乾杯。

2013-03-17(日)

6:30に出発し、7:30にアイスエリア着。この日一番乗りだ。迷わず、昨日登れなかった「一角獣」へ取付く。

1. 一角獣(1ピッチ目)[IV- 40m] OS
右側に水流があるので、濡れないよう気を付けてライン取りする。状態良く、いいアップになった。2ピッチ目は雪で埋まってるので普通に歩く。

2. 一角獣(3ピッチ目)[IV 30m] OS
ドカンとそびえる一本角を直登する格好良いルート。氷は硬く、傾斜がある部分が長いので、パンプとの戦いだ。アックス跡に助けられながら徐々に高度を稼ぐ。スクリューのセットは、KTBさんに貰ったアドバイスどおり、腰位置でねじこむと随分楽になった。落口前でスクリューを決め、気力と腕力を出し尽くして角の天辺を突破すると、思わず笑みがこぼれた。

写真:一角獣(3ピッチ目)

3. ジョーズ右[IV- 30m] OS
一角獣の3ピッチ目を懸垂して少しトラバースすると、ジョーズの取付きに着く。せっかくなので、一番簡単そうな右端のラインを登る。上部は氷が割れやすく、
エスケープ気味に潅木で終了。

写真:ジョーズ右の終了点から
写真:ジョーズ全景

一角獣の取付き戻って11:00。少しゆっくりしてから、下山する。長いルートを3本リードできたので充実感で一杯だ。

大正池の向こうに光る穂高を振返りながら林道を歩いて帰る。中央道は20kmの渋滞。往路よりも1.5時間余分にかかって、19:30帰宅。