大山 別山 中央稜 (2019-02-24)

最終更新日

鳥取県にある大山(だいせん)は標高1,729m、その切立った脆い北壁は、冬期には凍りつき格好の登攀対象となります。メジャーなのは別山と弥山尾根。今回、別山の中でもよく登られている中央稜に登ってきました。

悪天が多い日本海側の独立峰ですが、この日は文句なしの快晴。パートナーは気力・体力ともに充実した若手でストレスもなし。楽しめました。ゲレンデでのクライミングも楽しいですけども、やっぱり僕は、山頂を目指すクライミングが好きだなと、改めて思いました。

メンバー

F戸くん、崎間

行程

2019-02-23(土)
21:30 高砂市(集合)
24:30 県営大山第1駐車場

2019-02-24(日)
06:00 県営大山第1駐車場
07:30 別山中央稜取付
09:20 別山山頂
09:45 頂上小屋
10:30 剣ヶ峰
10:50 ユートピア小屋
11:05 三鈷峰
12:50 県営大山第1駐車場
16:00 高砂市(解散)

詳細

(1) アプローチ

F戸くんに自宅まで迎えに来ていただき、24:30に大山の麓に到着。南光河原駐車場は満車だったので、第1駐車場に停めて仮眠する。ダウンジャケットとシュラフを着込んだので暖かく眠れた。

(2) 別山 中央稜

4時間程仮眠し、5時起床、6時出発。ヘッデンを灯して元谷を目指す。道路にはほとんど雪がないが、奥の神社を過ぎるとさすがに雪がでてきた。新雪はなくトレースもあるのでサクサク進む。元谷を過ぎると急登となり息が上がる。黒々とそびえる別山バットレスの基部を目指す。

▲元谷から望む別山バットレス(右)と弥山尾根(左)

中央稜のブッシュ帯を登った所でハーネスとアイゼンを装着。この取付きが狭かったので、後続パーティーをお待たせしてしまい、もっと早い段階で装備しておくべきだったなと反省。

しばらくブッシュが続くようなので、もう少しノーロープで登ることにする。ビレイ点にいた先行の2人組パーティーが先を譲ってくださったので、さらに進み、古いリングボルト2つの終了点に到着。ここでロープを出す。

F戸くんのリード。最初の10mくらいは傾斜が急で、大山らしいレンガ状の信用ならない岩場を味わえる。プロテクションは細い灌木が数ヶ所。ほぼ50m一杯伸ばしてビレイ解除のコール。終了点はイボイノシシとアックス等で設置されており、F戸くんの苦労の跡が伺えた。

▲核心と思わしき所。雪がありません
▲ロープを出した地点のビレイ点(おそらく3ピッチ目の終了点)

別山山頂のリッジを歩いてロープを解除し、鞍部までクライムダウンする。雪が良い感じに締まっていて歩きやすい。結局、ロープを出したのは1ピッチのみだった。

尾根をひと登りすると一般道に合流。多くの登山者が快晴の大山を楽しんでいる。頂上小屋の側面で風を避けて大休止。ひとまずほっとする。

▲別山山頂のリッジ
▲別山の鞍部から一般道への稜線
▲別山から一般道へ出たあたり

弥山-剣ヶ峯-三鈷峰-宝珠尾根

弥山から剣ヶ峰への稜線はいつみても素晴らしい景観だ。剣ヶ峰側からやってくるシニア層の団体さんとのすれ違いで何度か待つ。剣ヶ峰を越えてユートピア小屋までは、登山道が所々凍って滑りやすく、少々肝を冷やす。

▲弥山から剣ヶ峰への絵に描いたような稜線

時間に余裕があったので、ついでに三鈷峰もピストンする。山頂には登山者が2人おられた。ここから眺める北壁はいかつくて恰好が良い。過去に三鈷峰のバリエーションルートを2本、単独で登ったことがあるというF戸くんの話を聞く。雪が少ない現状をみると、とてもルンゼを登りたいとは思わないが、しっかり雪や氷が付いた時期にチャレンジしてみたいものだ。

▲三鈷峰から眺める北壁

下りの宝珠尾根は尾根筋がけっこう入り組んでいて、視界が悪いとかなり迷いやすそう。今回は展望もトレースもあるので悩むことなく進めてしまうのが、嬉しいような残念なような。13時前に駐車場着。

久米桜酒造の直売所に寄ってもらい、個人的に一押の地酒「八郷(やごう)」を2升調達して帰宅する。

感想

雪が少なかったのは残念でしたが、快晴で陽射しも暖かく、快適なクライミングと縦走ができました。今回、3月下旬に計画している三峰川岳沢のプレ山行的位置づけで、歩行、登攀、コミュニケーションともに問題なさそうなことが確認できました。ただ、今後も今日のように暖かい日が続くと、氷瀑が溶けてしまいそうなのが気がかりです。