シカバイト

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情報科学では2進数の1桁(0と1)をビットと呼び、8桁(1ビット8個分)を1バイトと言う。1バイトのシカ倍のことをシカバイトと言う、というのは冗談だ。漢字で書くと鹿バイトである。鹿の痕跡を調査するアルバイトを学生時代にスポット的に行っていた。

県の林業関係の部署から、ぼくの所属していた部活(山登りの部活)に不定期に依頼があり、割の良いバイトなので結構人気があった。どれくらい割が良いかというと、体力と運しだいでは1日で3万円ほど稼げた。

仕事の内容は一風変わっていた。ルートが記入してある国土地理院の2万5千分の1地形図を渡され、そのルート通りに歩いて鹿の痕跡(糞塊、角を木にこすり付けた跡)を調べるという内容だった。これらのデータから、周辺に生息しているであろう鹿の総数を把握することが目的のようだった。鹿は農業にダメージを与えるので、生息数を割り出して駆除予定数を決めているらしい。

県内全域に調査区域が分布しており、場所によっては山の中がシダやトゲトゲの木だらけで、ものすごく調査に時間がかかることもあった。かといえば、開けた尾根に道のようなものが付いていて、かつ鹿の痕跡が全くない場所もあり、そういうところでは純粋に山登りを楽しめた。

今思い出しても、なかなか不思議な仕事内容だった。