HHKBとiPad mini 4
フリマアプリで中古のiPad mini 4を購入した。目的は、電子書籍や自炊した(本を分解しスキャンして電子化した)本を読むため。2015年に発売されたモデルだけれどまだまだ十分使える。
そのiPad mini 4に、HHKB(ハッピーハッキングキーボード)をBluetooth接続した。なんでわざわざそんなことを、という感じだけれど、テキスト入力に集中でき、なかなか調子がいい。これには唯一無二の使用感かもしれない。
HHKBについて
高級キーボードであるHHKBは、4年前に手に入れたものだ。この手のモデルを一度試してみたかったのだ。時はコロナ全盛期の2020年、在宅勤務時にWindows PCと繋げて使っていたのだけれど、HHKBにはファンクションキー、Page Up、Page Downキーが独立していなかったりで不便なことが多かった。また、Bluetoothでの無線接続に特にメリットを感じなかった。そんな訳で、普通のテンキーレスキーボードに替えたため、HHKBの出番は少なかった(もったいないことに)。
せっかく無線接続できるので、試しにiPad mini 4とHHKBをペアリングしてみると、初めて無線接続の恩恵を感じた。iOSのバージョンが古いせいでUSキー配列として認識されてしまうのがやや不便だけれど「@」「カッコ類」「:」の位置を覚えればなんとかなった。
シングルタスク
iPad mini 4は販売開始から9年も経っているので、けっこう非力だ。特に、アプリケーションの切替えに時間がかかる。したがって、マルチタスキングに全然向いていない。テキストエディタとPDFリーダーとブラウザとを行ったり来たり、というPCだとよくある作業をする気にならない。動作が遅いし、キーボードから手を離して画面をタップするのが面倒だからだ。
PCで作業していると、情報量が多いし、調べ物も簡単なので、強い目的意識がないといつの間にか別の作業をしてしまう事がある。この単語なんだっけとブラウザを開こうものなら、あれよあれよという間にGoogleストリートビューで海外の街並みを彷徨っていたりする。
iPad miniでは、アプリケーションの切替えに時間がかかるという欠点こそが利点となり、シングルタスクに集中できる。
文章を終わりまで書きやすい
PCで書き物をしていたら、途中の文章をやっぱり変えたいなとか、順番を変更したいなとか思ってしまう。なまじ簡単に編集できてしまうので、文章の作成途中でああでもないこうでもない、とやっていると、こんがらがって前に進めなくなる。
iPad mini 4とHHKBの組み合わせではそうは行かない。以前に書いた部分へ戻るには、キーボードから手を離し、画面を指で触ってスクロールする必要があるので、できる限りやめておこうという気持ちになる。
ましてや、コピペするとなると、文章を指でなぞって選択して、メニューを開いてカットして、移動先の場所を選択してメニューを開いてペースとして、という作業が必要になる。手間がかかる。
かくして、一度文章を書き始めれば、書き続けるのが最も楽な選択肢となる。多少途中で整合がとれずとも、表記が揺らいでいても、修正するハードルが高いので、前に進んでしまえという気持ちが生まれ、とりあえず終わりまで書き切れる。いったん最後まで書ければ、PCで推敲すればいい。
オンラインで同期できる
以上のような特徴は、キングジムのワープロ専用ハードウェア「ポメラ」にみられる性質だと思う。残念ながら僕はポメラを使ったことがないけれど、オフラインかつシングルタスクだからこそ文章作成に注力できるというのは、そのとおりだと感じる。
一方で、ポメラは独自OSであるが故に、クラウド系のノートアプリへの同期が苦手なようだ。専用アプリか、USBケーブルでPCに接続するなどして、データを受渡すのだという。これはとても手間なのではないか。
iPad mini 4は、数世代前のモデルとはいえ、概ね最新のアプリが動作する。僕が愛用しているUpNoteももちろん動くので、クラウド経由で同期でき、データの授受には手間がかからない。
ライブ変換がけっこう便利
MacOSやiPadOSには、日本語入力途中に気を利かせて漢字やカナに自動変換するという機能がある。MacOSを使うときにはこの機能をOFFにしているのだけれど、iPad mini 4で日本語入力するときには、ライブ変換をONにした方が変換ストレスが小さい。
当初、ライブ変換機能をOFFにして日本語入力していたら、変換のレスポンスが悪く、文字を入力してスペースキーを押して変換されるまで若干タイムラグがあった。ものは試しと、ライブ変換機能をONにしてみたら、かなり賢く適切にしかも素早く変換してくれるではないか。使うほどに変換精度が高まっているようなので、これは便利。
まとめ
というわけで、特に何者でもない一般人が、個人的文章を書くためのツールとしてiPad mini 4とHHKBを使い始めた、という内容でした。