三峰川岳沢(敗退)(2025-01-11~13)

最終更新日

2019年3月の初トライ時はF1が凍っておらず敗退。あれから6年、今度こそはと期待を込めてて再訪したけれど、やっぱりF1を登ることなく敗退となった。

メンバー

HYSさん、崎間

行程

  • 2025-01-10(金)晴
    21:00 加古川市
  • 2025-01-11(土)晴
    02:30/05:30 道の駅むら長谷
    06:10 杉島ゲート
    10:10 営林署跡
    13:10 岳沢越
    14:00 岳沢出合
    15:30/20:00 F1周辺
    21:00 岳沢出合
  • 2025-01-12(日)晴のち雪
    08:30 岳沢出合
    10:10 岳沢越
    10:50/15:00 1900m付近の氷瀑
    16:40 営林署跡付近
  • 2025-01-13(月)晴
    05:45 営林署跡付近
    06:30/10:00 1850m付近の氷瀑
    10:20/10:50 営林署跡付近
    14:20 杉島ゲート
    21:30 加古川市

詳細

1日目:杉島→F1周辺→岳沢出合

杉島集落のゲート(新しくなってた)を抜け、岳沢越に至る南沢へ向かって林道を歩く。わずかに積雪あり。新しい足跡が3人分ついている。先行パーティーがいるようだ。南沢に入ってすぐ、ガレガレの微妙なトラバースをこなし、ひと登りして営林署跡。そこからは傾斜が増し、ザックの重さが恨めしい。

1900m付近に氷瀑あり、右岸を巻く。その上にも氷瀑があり、下段はそのまま右岸を巻いて、上部は左岸をコンパクトに巻く。そうこうしていたら、氷瀑をそのまま巻いた後続の3人パーティーと会う。どうやら今日は、3人パーティー2組と、僕ら2人の、計3パーティー8人が岳沢を目指しているようだ。

グズグズの雪でぬかるんだ斜面を我慢して登り、13時過ぎ、やっと岳沢越に到着。今日は日没前にF2上まで行ければ御の字かな、とこの時は甘く考えていた。

岳沢出合までの何度目かの渡渉で足を滑らせてしまい、右足が太ももまで水に浸かる。幸いにも軽症。F1までは、何箇所か釜が口を開けており、周辺に積雪があるので状況がよく分からない。その結果、何度も大きく高巻くことになり、時間を消費してしまう。

F1手前も、先行2パーティーに倣って右岸を上がり過ぎてしまう。上部でロープを出して順番待ちしているとアーベントグリューエンが目に焼き付く。そして日が暮れる。1ピッチ登り、先行パーティーは2ピッチ懸垂下降し、F1落ち口に降りて、F2を登っている。F1とF2の間は狭く、1パーティーしか滞在できないようだ。氷の状態も悪いらしい。

僕らは1ピッチ懸垂した所で待機。時間が無情に過ぎていく。今日はF2の上に行けたとして、明日も同様に時間がかかるだろう。上部の積雪も多そうだ。3連休のうちに下山できないかもしれない。いや、行けばなんとかなるだろうか、と疲れた頭でぼんやりしていたら、HSYさんが「さっきの所まで登り返してF1下まで懸垂しよう。敗退する」と英断された。

斜面を登り返し、暗闇の中、2ピッチの懸垂下降。F2を登っているらしい先行パーティーのヘッデンでライトアップされた氷瀑は、観光地のようで、どこか現実味がない。

行動用のお湯はもう尽きてしまった。のどの渇きと空腹と疲れと睡眠不足でふらふらとし、21時、ようやく岳沢出合まで戻る。平坦地にテントを張り、雪を溶かして飲んだお湯で生き返る。もう急ぐ必要はないので、ゆっくり夕食を摂り、23時就寝。

▲出発時の装備
▲林道を歩く
▲営林署跡
▲岳沢越への登り
▲岳沢越は展望なし
▲岳沢越の先の三峰川沿いに少し下る
▲F1手前(以降はいろいろあって写真撮れず)

2日目:岳沢出合→営林署跡付近

昨日の疲れを癒し、明るくなってから行動開始。岳沢越まで登り返す。コル近くの地形は微妙に複雑だ。10時過ぎに岳沢越。昨日苦労したズボズボの急坂は、凍っているのでアイゼンを効かせれば、まあ歩ける。

懸垂下降も交えて、1900m付近の氷瀑に到着。朝のうち晴れていた空は薄暗くなっており、雪がパラパラと降り出す。せっかくなので、この氷瀑でアイスクライミングする。上下2箇所の氷瀑を登り、Vスレッドの練習などもする。15時に撤収。

営林署跡のある1600m付近まで降りると平らな地形になる。昨日よりもさらに平坦な場所を見つけて快適に幕営。早めの就寝。

▲岳沢出合のテント撤収跡
▲岳沢越を少し下った所で雪が降り始める
▲1900m付近の滝

3日目:営林署跡付近→杉島ゲート

4時起床。1850m付近の支流にかかる氷瀑を登りに行く。短いけれど部分的に垂直で登りごたえあり。滝を抜けて上部を探検したものの、倒木多く氷結少なく、途中で引き返す。

10時過ぎ、テントを撤収して下山開始。営林署跡からはピンクテープがあり、うっすらと踏み跡が残るトラバース道をたどる。二俣へ下る急な尾根に神経を使う。その後は河原を1時間、林道を1時間歩いて、車に帰還。もうこれで安全だ。この瞬間はいつもほっとする。

▲1850m付近の支流の滝
▲テント撤収
▲営林署跡からのトラバース道
▲車に着いて一安心

感想

今回もF1を見ただけで終わってしまった。岳沢越のアプローチを思い出せたし、多少はアイスクライミングもでき、2泊3日を静かな南アルプス山中で過ごせたので、悪くなかった。もし、1日目にあのまま進んでいたら、僕には厳しかったと思う。

昨年末から冷え込む日が続いたので氷結はばっちりかと思いきや、釜までは凍っておらず、それらを回避するところから時間がかかり始めた。そのような状況でも前に突き進んで行った先行の2パーティーはさすがだ(ラッセルありがとうございました)。

多少の積雪をものともしない体力と、氷瀑を速く確実に登れるアイスクライミングの力が僕には不足していた。また、この遥かなるアルパインアイスエリアで、F1よりも上部の光景を目指したい。

装備

50mダブルロープ×2、アイススクリュー×13、クイックドロー×12、2人用テント、ジェットボイル、ガス缶(中)×2、クライミング装備一式、テント泊装備一式