才能が無いなりのクライミングの楽しみ方
スポーツクライミングのレベル向上が著しいようだ。ジムに行けば小学生や中学生がアップで5.12aを登っている。ボルダリングジムでは初めて1年という20台の若者が2級や1級を軽々と登っている。ぼくが8年間を費やしてまだ到達できない領域で彼らは活躍している。
羨ましさは感じる。でもそんなハイレベルなクライマーはそれだけの努力をしているのだろうし、生活スタイルもぼくとは違うのだから、無いものねだりしても仕方がない。ぼくが5.12aに到達するまであと3年かかるかも知れないが、その3年の間に少しずつでもレベルが上がれば、スーパー赤蜘蛛にトライできるかもしれないし、冬の錫杖岳1ルンゼをフリーで登れるかもしれない。高い山の奥深く、誰も目を付けていなかったクラックのラインを見付けて初登できる可能性だってある。
突出した才能が無いなりに、ぼくは山の中でのクライミングを続けて行きたい。もうしばらく、恐らくあと10年間くらいは、過去の自分を超えてレベルアップし続けられるのではないだろうか。もちろん相応の努力は必要だろうけど。比べるのは他者ではなく自分自身。それを常に忘れずにクライミングを続け、山に焦がれる日々を送りたい。費やした時間と労力の先に何かがあると信じて。