クライミングとダイエット1
はじめに
2018年5月、一時的にではあるが体重が73kgを超えてしまった(身長は175cm)。4月に海外出張があったのと、GWの山行で本能の赴くまま飲食した結果である。ここ1年くらい70kg±1kgを維持していたので、さすがに73kgを超えるとクライミング時に体が重く感じる。という訳で減量を決意。
決意して2~3kg減るものの、しばらくすると息切れしてリバウンド、というのを僕は過去5年くらい一貫して継続してきたのだけども、今年は例外的に上手く減量できている。恥を忍んで過去5年間の体重遷移を下図に示す。
これまで68kgを切ったことはなかったが、68kgはおろか最近では67kgを切るという所まで来た。でもちょっとリバウンド気味。リバウンドを防いでさらに絞るために、目指す目標と減量方法を整理してみる。
どこを目指すか
クライミングをはじめてそろそろ10年が経過しようとしている。アルパインクライミングがメインと言えども、そろそろ5.12は登っておきたい。How to climb 5.12という本にも「標準体重より重い人はまず有酸素運動して痩せろ」みたいなことが書いてあった。適正体重を目指すことがクライミング上達の近道とされている。
一般的には、クライマーの体重はBMIで20前後が理想と言われている。僕の身長は175cmなので、BMI 20の体重は20×1.75×1.75 = 61.3kgということになる。これは遠すぎてちょっと気が重い。まずはBMI 21となる21×1.75×1.75 = 64.3kgを目指すことにする。
なぜ太るか
摂取エネルギーが消費エネルギーより多いから太る、というのは確かにそのとおりなのだけど、食べても太りにくいという人もいる。一緒に山や岩場に行った際に、行動食をしょっちゅう食べ、朝晩も人一倍食べるのに僕より断然やせている人はいる。しかし彼らが特殊なだけで、余分に食べたらそれだけ脂肪が付くという方が生物としては普通であろう。食べても太りにくい人は、食物からエネルギーを上手く吸収できていないのだ。
と言う訳で、どうやら同じ物を食べたとしても摂取できるエネルギーには個人差がありそうだ。食品のパッケージには○○kcalなどのカロリー表記がしてあるのだが、鵜呑みにしてはいけない。160kcal表記のおにぎり1個が、人によっては250kcalだったり、100kcalだったりすると考えられる。自分が何をどれだけ食べたらどれだけ太るか、というのを記録し把握していくことが大切なのだと思う。
減量の方法
原則はやはり「摂取エネルギーを消費エネルギーより減らす」こと。では具体的にどうすればいいのか。そもそも摂取エネルギーを適正に保ててないから適正体重を超えている訳なので、食事を減らして気合で痩せますという方法はNGだ。僕の経験から言えば、減量したければ走り込むのが一番てっとり早い。
ダイエットは食事が8割だか9割だかという情報は多いし実際そのとおりで、運動で減らすよりも食事を減らした方が効率は良い。70kgの人が4km走ったとして、たったの280kcalの消費。食パン2枚分のエネルギーだ。走り慣れていないと4km走るのに30分以上かかるだろうし、会社務めなら毎日走るのは困難だ。それなら毎日食パン2枚分食べる量を減らしましょう、というのは至極当然で合理的に思える。
でも、食事量を自由にコントロールできるならそもそも太っていませんよ、と声を大にして言いたい。そこで、走り込むことによって食事量を減らす、というのが僕の辿り着いた方法である。仕事が終わって帰宅後、蒸し暑い夜のアスファルトを走り終えて「これだけ辛い思いをして食パン2枚か」と実感すれば、安易に物を口に運べなくなる。苦労が無駄になるのがもったいないからだ。この効果が凄く大きい。
とにかく走る。ときには膝が痛くて途中で歩いてしまうこともあるだろう。それでも騙しだまし走り続けていれば、体の方で勝手に順応して次第に長い距離を走れるようになってくる。少しずつ、でも着実に、体は変化する。ここ4ヶ月の僕の記録を下表に記載する。
月 | 月間走行距離 | 最低体重 |
2018-05 | 33 km | 71.35 kg |
2018-06 | 84 km | 69.25 kg |
2018-07 | 115 km | 67.70 kg |
2018-08 | 158 km | 66.45 kg |
ここで、体重は当該月の最低体重で比較している。ジョギング直後でも登山直後でも、どんな状態でもいいので、同じ体重計で測定した最低値である。最低値でみている理由は、数値としてこれまで限界だと思っていた値を更新していくのが楽しいから。8月はお盆休みがあったので沢山走れた。9月以降はもう少し距離が減るかも。
走り込みの他にも、筋トレを行うとか、ひたすらクライミングジムで登り込むとか、いろいろ減量の方法はあると思う。上記はあくまで僕が試行錯誤した中で、いまのところ最良だと感じた方法である。
減量のためのツール
体重計
まずは日々の自分の体重を把握することが大切。50g単位で計測できるデジタル体重計で測りましょう。僕の場合、毎日測って記録していれば少なくとも太りはしない。体脂肪率の絶対値は信用していいものかどうか分からないものの、毎日同じタイミングで計っていれば相対的な変化は把握できる。
プロテイン
食事を減らして運動もするとなるとタンパク質が不足してしまうようなので、ソイプロテインを飲んでいる。ザバスの緑のやつが美味しい。牛乳で割って飲むとそれなりに満足感がある。休日の朝食や昼食はこれだけで済ませることもある。
クルミ
お腹が空いたときにクルミなどのナッツ類をちょっと食べると多少はごまかせる。食物繊維も採れる。
おわりに
実を言うと、当初目標は68kgを切ることであった。この目標は既に達成し、体脂肪率も15%台から13%台に減り、クライミング時の体の重さは解消された。とはいえ、お腹周りのブヨブヨはまだ残っているし、鏡に映る自分の姿は一流クライマーのような研ぎ澄まされたシルエットには程遠い。という訳で、目標を上方修正してBMI 21となる64kg台を目指している。2kgで1グレード(アルファベット1個分)上がる、という噂が本当ならば64kgになれば5.12aを登れる、のではなかろうか。あと400kmくらい走り込めば到達できるかな。
初版:2018-08-28、最終更新:2018-09-01