釈迦ヶ岳 西面の沢 (2019-11-03)

最終更新日

宇無ノ川を遡行して七面山南壁偵察、のはずが痛恨のルートミスで、釈迦ヶ岳に突き上げる沢を詰めてしまいました。今シーズン最後の沢(とは言えないか)は、ちょっとした冒険でした。

メンバー

単独

行程

  • 2019-11-02(土)
    19:40 高砂市
    22:00/22:10 オークワ五條店
    22:40 道の駅 吉野路大塔
  • 2019-11-03(日)
    05:10 出発
    06:00/06:10 駐車場(釈迦ヶ岳登山道分岐)
    07:20 林道終点
    09:15 小ゴルジュ
    09:50 水流途絶えた地点(標高1,100m)
    12:00 千丈平
    13:30 林道
    14:40/15:00 駐車場
    19:50 高砂市

概要

ROCK&SNOW 084に掲載されている「七面山南壁 Long Hope 12P 5.11-」に憧れ、来春にトライするべく計画中だ。七面山(しちめんざん)は大峰山脈の主峰である八経ヶ岳のやや南西にあり、七面山の南に流れる宇無ノ川からアクセスするのが正攻法のようだ。僕はこの辺りの地理に疎く、また、大峰山脈自体もほとんど歩いたことがないので、ふと思い立って偵察にでかけた。ルートの取付きまで行く予定だったけれど、あろうことか全く別の沢を登ってしまい、仕方がないのでそのまま稜線まで抜けてしまった。

▲概念図

詳細

アクセス

兵庫県の自宅から4時間程かかるようなので、前夜20時前に出発した。阪神高速・阪和道を経由して葛城ICで下車。そこから下道で五條市街へ向かう。ナビが古いのでこのルートとしたが、新しく道ができているようなので、もっと良い方法がありそうだ。24時間営業スーパー「オークワ」で食料調達し、道の駅「吉野路大塔」で仮眠する。この道の駅は観光地らしく、深夜も騒がしくて良く眠れなかった。

5時に起床し、1時間弱で起点の駐車スペースに到着する。国道168号線を離れたあたりから携帯(docomo)は圏外となる。奥吉野発電所からは細い道でグネグネ。落石はたまにある程度。釈迦ヶ岳登山口への分岐で左に折れ、未舗装になった少し先に、3〜4台の駐車スペースがある。ここから歩き。

▲駐車スペース

林道

荒れ気味の林道を渓谷沿いに進む。谷側は大きく切れ落ちているので高度感がある。林道のすぐ脇に大きな滝も流れている。苔むした倒木が至る所にあり、なかなかに歩きづらい。眠いなあ、朝イチは身体のキレが悪いなあ、と思いながら歩いていると、朝露で濡れた苔むした倒木にスリップしてしまい転倒。運悪く、ちょうど木の根が突き出ており、右の肋骨辺りを強かに打付けてしまう。

予想外の衝撃に悶絶。「か、かはっ」となって声が出ない。やばいかも。息もしにくい。リバーブローというやつか。しばらく倒れ込んで回復を待つ。もう帰ろうかと思ったものの、立ち上がって身の回りを点検してみると、少し痛みはあるが大事なさそうなので、もう少し進むことにする。

▲荒れ気味の林道
▲この木からリバーブローを見舞われました

アプローチ図と同じコースタイム(駐車場からちょうど70分)で林道終点に到着。ここから入渓し、沢沿いに北上すれば七面山にたどり着けるはずだ。沢に下るまでの数十m程は倒木が非常に多く、どれも朽ちていてバリバリと崩れてとても歩きにくい。悪態をつきながら(つきますよね?)、なんとか沢に出る。

後で思えば、この沢は釈迦ヶ岳側に突き上げる沢(山と高原地図の表記では「南沢」)であった。ここから少し沢を下れば、宇無ノ川と出合うはずだった。ところが当時の僕は、この沢を登ったところに宇無ノ川との出合があると思いこんでいた。

というわけで痛恨のルートファインディングミスに気づかないまま、水線に沿って遡行し、記録でみた風景が全然ないなあと思いつつ、高度を上げる。どうもおかしいなと思いながらついに水流が途絶え、携帯のGPSで確認すると宇無ノ川から大きく外れた所にいた。標高1100m付近。一応、途中途中でコンパスを見て進行方向を確認していたのに…。ここまで来るのに、へつり、巻き、藪こぎが何度かあったので、引返すのもちょっと嫌だなと思い、そのまま稜線に抜ける。

▲水はすごく透明
▲小さなゴルジュと滝の向こうに岩頭。このときは、あの岩頭が七面山と思い込んでいた。
▲間違いに気づいた地点
▲上部の樹林帯。紅葉した木々。
▲釈迦ヶ岳付近の稜線から遠望する七面山南壁

下山

一般道は当然ながら良く踏み固められていて、これまでと比べると遥かに快適。長い林道歩きを経て駐車スペースに戻るとほっとする。朝、林道でコケてぶつけた右の肋骨は、カーブの多い林道でハンドルを切るたびにひどく痛む。ヒビ入ってるかも。

感想

七面山南壁の麓までは行けなかったものの、このあたりの山域に入るという目的は十分に達成したし、遠目から七面山南壁を自分の目で確認できたのは成果だった。稜線に抜けられたので、大峰山の全体像もなんとなく知ることができた。それにしても、スタート地点で進路を間違うと、気づいたときにはリカバリ不能な状態になってしまう。間違えたのが偵察時で良かった。