できること、できないこと

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6月に入ってからどうも体調が優れず、37℃前後の微熱に地味に苦しんでいました。運動といえばムース(秋田犬、2歳)との散歩に通勤くらいで、登山やクライミングをするなど考えられない日々でした。こういう生活をしていると、てきめんに登る力が衰えてしまうのが、この趣味の辛いところです。

多少体調が悪くとも継続できていれば筋力や体の動かし方の感覚を維持できるので、それに伴いモチベーションも維持できるのですが、いったん切れてしまうと、なかなか取り戻せません。30代の頃は、少しずつクライミングの力が身に付いて、登れる場所が増えるのが嬉しくて、毎日クライミングのことばかり考えていたのですけれど、時間が経つと変わるものです。

年齢のせいにするのは良くないのでしょうけれど、40代も後半になると、体力も視力も徐々に低下して、思うように体が動かずもどかしさを感じます。もう人生の折り返し点を過ぎてしまったので、終着点を見すえながら進む方向を決めないとな、と考えてしまいます。

残念ながら、クライミングや登山でなんらかの偉業を成し遂げることは、僕にはできそうにありません。自分で限界を決めてしまうのはちょっとどうかなと思いますが、もう15年くらい続けてきて5.12も登れないので、現実的な判断でしょう。どうにもしがたい向き不向きというものはあります。

一方で、強さや高難度という尺度とは別に、この趣味の価値を自分なりに見出だせるようにもなりました。以前のように、上達を目指す熱量はなくとも、ただ登るという行為そのもの、目の前の一つのホールドを取るための動きに集中する時間は唯一無二のものだと思います。

また、曲がりなりにもそれなりの時間を費やして登山やクライミングに費やしてきた経験、何かを習得しようともがいてきたことは、他の分野の技術を習得する際の良きケーススタディとなっている気もします。

自分なりのペースで、この先も登山やクライミングを楽しみつつ、そこに一工夫加えて創造性を発揮したいと思う今日このごろです。