白馬岳 (2011-06-18〜19)

最終更新日

崎間(L、記)、kinaco、K崎、K原

6月18日(土)[曇りのち雨]

猿倉 7:30→村営頂上宿舎幕営地 13:30

猿倉の駐車場に7:30着。空にはどっしりと重そうな雲が張り付いている。今日はお日様を望めそうにないが、梅雨の最中であることを考えれば雨が降っていないだけでも感謝すべきかも知れない。荷物を整え、大雪渓を目指し林道を登る。猿倉荘を7:50通過。8:30、大雪渓の末端に着き、アイゼンを装着。良く締まった雪渓に足を踏み入れる。5年くらい前からいつかは来たいと思っていた大雪渓だが、灰色の空と、埃で汚れてこれまた灰色の雪渓はコントラストが低く、あまり感動的な風景ではない。雪渓上には大きめの石が点在しており、落石の多さを物語っている。

大雪渓はあいにくの曇り空

ときおりガラガラと派手な音を立てて左手の斜面が小さな崩壊を起こす中、大雪渓の終点を目指し登高を続ける。事前に仕入れた情報では、なるべく雪渓での休憩を避ける事がトラブルを避ける唯一の方法だという。理屈は理解出来たので、雪渓途中での休憩を最小限にし、ひたすら登る。高度を上げるにつれガスは濃くなり気温は低下、それでもまだまだ雪渓は続いている。正直ちょっとあなどっていた。しばしば観光地のように扱われる白馬大雪渓だが、標高差1500m、なかなか登り応えのあるルートだ。ほとんどの落石は雪渓に入る前に停止するが、たまに雪面を音もなく手裏剣のように回転しながらハイスピードで転がり落ちてくる岩には恐怖を感じる。

落石注意
大雪渓上部。たまにガスが切れてた

13:30、村営頂上宿舎に到着。長いながい雪渓だった。疲れた。小雨が降る中テントを設営。夕食まですることがないのでシュラフにくるまりしばしまどろむ。16:00頃から食事の準備を始める。メニューは暖かい白米とすきやき、そしてビール。ごちそうだ。風雨が強くなり天幕を叩いており、テントの中には水溜りが出来つつあった。二週間ほど前にフライのシームテープを張り替えていたのに、アイロンの当て方がまずかったらしく、無残にもすべてはがれてしまっていた。

6月19日(日)[晴れときどき曇り]

村営頂上宿舎幕営地 5:30→栂池高原 11:30

朝、この時期の夜明けは早い。3:00頃から白み始め、4:00にはライトなしで行動できる。昨夜の残り物の朝食を済ませ、雨に濡れて重くなったテントをたたみ、白馬岳山頂へ向け5:30出発。ホテルのような白馬山荘の横を通り、山頂へ。少々ガスが出ていたが展望は悪くない。雨飾山、朝日岳、毛勝三山、剣・立山、鹿島槍、槍ヶ岳が見渡せる。この時期は入山者が(梅雨明け後とか盆休みと比べて)少ないのが良い。ゆっくりと展望を楽しむ。

頂上宿舎から白馬岳
白馬岳山頂

白馬大池を目指し、快適な稜線を歩く。雷鳥のつがいを何度か目撃した。着た道を振り返ると白馬三山が大きくそびえている。いつかは主稜にも登りたい。

白馬岳を振り返る
雷鳥のつがい。カエルみたいにケロケロ言ってた

小蓮華山を過ぎると、雪に覆われた白馬大池が現れる。池の脇の雪渓をトラバースする部分に急なところがあり、池に落ちるかと思った。乗鞍岳に10:00着。このころから空はガスで見えなくなった。

池の横の急なところ

乗鞍岳の下りにある雪渓は標高差100m以上の巨大な滑り台。シリセードで豪快に滑り落ちる。下で見ていたおばちゃんに「すばらしい滑りでした」とお褒めの言葉を頂いた。

乗鞍岳の下りにある巨大な滑り台

この後も地味に長い道を下り、栂池高原に11:30着。水芭蕉の開花時期らしく、多くの観光客で賑わっていた。ロープウェイとゴンドラを乗り継いで楽々下山(なんとなく罪悪感があるのはなぜだろうか)。猿倉まで戻って車を拾い、温泉に浸かって帰京。高速1000円最終日かどうかは知らないが、当然のように渋滞にはまり、往路は4時間のところを7時間かけて帰宅した。