2021年の登山活動を振り返る
激減した山行日数
どうも最近、土日の時間に余裕があるなと思ったら、2021年に入ってから1度たりとも泊まりの山行をしていなかった。前夜発もしていないし、それどころか、早朝から日暮れまで山に入るということもしていない。せいぜい半日だ。こんなことは、2009年に本格的な登山・クライミングに出会って初めてのことだ。
2020年の山行日数は39日だったのに対し、2021年はたったの10日。個人的に活動のピークだった2017年は66日も山に入っていたのに。
山岳会に所属していた当時は、仕事や家庭より山優先という感じで、休日出勤はほとんどなかったし、土日の予定はほぼ登山とクライミングで埋めていた。子どもが小さい頃は、背負子に入れれば岩場にも安全に連れて行けた。
いまでは山岳会に所属しておらず、クライマーとの付き合いもごく少ないし、子どもは余り山に行きたがらないので、単独で登るか(ロープワークに慣れるとソロでマルチピッチクライミングもできるようになった)、家族で行けるエリアにちょっとだけ登りに行く、という程度だ。
時間に余裕はあれど気持ちに余裕のない週末
山に行かない週末に何をしているかというと、夏場はDIYに力を入れていた。4月に社宅から戸建住宅に引っ越したので、作業スペースもDIYの対象も増え、ウッドフェンスや机や棚を製作した。秋になって仕事が立て込んでくると、平日に気力を使い果たして週末に山へ出かける余裕がなくなり、土曜日に半日くらい在宅勤務をして、そのまま自宅に引きこもるという過ごし方が増えた。
例えば土日に1泊で山に行く場合、1週間以上前から計画・装備や食料準備をして、土曜日の朝早くに家を出て、日曜夜遅くにヘトヘトになって帰宅することになる。最近はこのような山行をしていないので、週末の時間的な余裕はある。されど、「ただそれのみに没頭する」ことがなく、頭の中は(主に仕事関係の)様々な雑念や後悔や不安に支配され、気持ちの余裕は少ない。
出かけなくなったのは、もちろんコロナ禍の影響もあるし、引っ越した家で過ごすことが目新しく面白かった、というのもある。社宅に住んでいたときは、とにかくどこかへ出かけたかった。
こうして振り返ると、無理してでも山やクライミングへ出かけることで、日常とは別の事柄に集中できて、それが気持ちの余裕を生むために必要だったのかもしれない。クライミングの次の一手に集中するために、頭の中がいったんクライミングに関する情報と思考で埋め尽くされ、それ以外は隅っこ圧縮され、クライミングが終了すると大きな余白ができている、という具合に。
興味の分散
登山やクライミングが嫌いになったという訳では全然ない。ただ、2020年に目標をいくつか達成して、自分の中で少し区切りが付いた。2020年11月には、1年かけて準備した七面山南壁を登れたし、同12月にはこれまた積年の目標にしていた黄蓮谷右俣の氷瀑を登ることができた。この2つでかなり満足したと同時に、山深い場所でのクライミングに、ちょっと怖さも感じるようになった。
40代、50代でバリバリと活動している社会人登山者やクライマーは、本当にすごいなと思う。登山人生には3つの壁があるという。就職の壁、結婚の壁、子育ての壁。いずれも乗り越えてきたつもりだったけれど、まだまだ完登できてはいなかった。
今は、ちょっと別の方面に興味が分散しつつある。山行しないことで生まれた時間でやってきたこととしては、DIY、魚釣り、プログラミング、読書、ガーデニングなど。共通する点は、どれも一人でできることだ。基本的に人が多い所が苦手、という点は昔から一貫している。
ちなみに、山行頻度が減ったことは体に如実に表れており、お腹周りの脂肪はかつてない潤沢さで備蓄されている。