クアッドアンカー

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クアッドアンカーとは、Quad (4つの) が示すとおり、4つのポイントを持つアンカーのこと。通常は、確保支点は岩に固定するポイントが2つ、セルフビレイ兼セカンドビレイのポイントが1つのいわばトリプルアンカーであるが、クアッドアンカーはセルフビレイのポイントとセカンドビレイのポイントを1点ずつ持つので、計4つのポイントから成る。

クアッドアンカーの設置例

メリット

  • 固定分散と流動分散のいいとこ取り
  • セルフビレイの荷重方向とセカンドビレイの荷重方向に差があっても対応可能
  • 素早くセットできる※1

※1 あらかじめ準備していれば、という前提付き。適切な長さで結んで、さらにカラビナもセットしておけば、流動分散をその場でセットするよりも確実に早くセットできる。ほどかなくて良いので回収も早い。

デメリット

  • スリング類の汎用性が低くなる。オーバーハンドノットでしっかり結んでしまうので、解いたりするのは困難
  • 若干重く、若干かさ張る

使い所

メリットとデメリットを考慮すると、整備された終了点が連続するマルチピッチではクアッドアンカーはとても重宝する。雪彦山、御在所岳、三倉岳、瑞牆山、小川山などでは使いでがあると思う。適さないのは、終了点が木、ピナクル、ハイマツ、スタンディングアックスビレイというような、雪山のバリエーションルートでは、スリング単体の方が汎用性が高い。