氷ノ山 八木川源流 左俣 (2019-07-28)

最終更新日

メンバー

単独

行程

05:50 高砂市
07:30/07:40 福定親水公園駐車場
08:00 45m滝
08:45 不動滝
09:50 水流途切れた地点
10:40 登山道に合流
10:50/11:00 氷ノ山
11:25 氷ノ山越
12:30 福定親水公園駐車場

詳細

5時に出発するつもりが、寝坊して5時半起床。50分遅れでの出発となる。それでも誰にも迷惑をかけないのが、単独行の気楽なところ。だからこそ寝坊したとも言える。運転している途中でヘルメットを自宅に忘れたことに気づく。気が緩んでるなあと思い、気を引き締めて出発。

登山道を歩くとすぐに、左手に釜を持った小滝が現れる。ここが左俣との分岐らしいので、ジャバジャバと入渓。

▲左俣の入口となるF1

ゴルジュ的な地形を進むと、奥に立派な滝が見える。F2だ。これが45m滝か。早速どきどきする。さてどうしよう。右岸の水際はホールドがあるので、なんとなく登れそう。巻くのは少々手間がかかりそうなので、登ってみることにする。

▲F2 45m滝。右岸を登攀

取付くと予想以上に水流を浴び、体がびっくりして呼吸が荒くなる。岩はヌルヌルと滑る。じわじわ体を上げ、右手でガバホールドに力を込めた瞬間、岩が剥がれ、同時に僕の体も落下。なんか前にもこういうのあったなと思いながら、落ちるに身を任せる。幸い、滝の下部だったので、少し膝を打っただけで大事なく止まる。

恐ろしい思いをした。やはり巻くかと遠くから滝を眺めると、先ほどより少し滝身から離れた側に階段状のラインがある。今度はそちらから登ってみることにする。

ホールド剥離のリスクが身に染みたので、より慎重に、たとえ1つが剥がれても墜落しないよう、厳密な3点支持で登る。中間テラスで腰を下ろして休憩すると、もう引き返せない高さまで到達している。心なしか先ほどぶつけた膝も痛い。あとは階段状なので難しくはない、大丈夫、と自分に言い聞かせ、慎重に高度を稼ぐ。落ち口を抜けて水平な場所に達し、心から安堵する。

▲中間テラスから45m滝を見下ろす

しばし歩くと斜滝40m。傾斜が緩いので威圧感は小さい。流心を避けてジグザグと登る。ザックに入ったロープが重いので、ロープだけ下に置いて、ハーネスに結んで引きずる。ビレイされてもないしプロテクションも取っていないけれど、ロープを伸ばしていると安心感がある(大いなる錯覚)。

▲斜滝40mの入り口

さらに進むと、メインの不動滝が堂々とそびえている。傾斜が強く登れる気がしないので右岸を高巻く。登れそうな滝は登り、登れなさそうな滝は巻く。その場その場で判断し、判断の結果はすべて自身で甘受する。この単純明快さがたまらない。

▲不動滝

もうそろそろ水流が尽きるかな、と思ったあたりで小粒な滝が表れるので後半も楽しめる。倒木がもたれかかっている滝はホールド豊富なので、カッパを着てフードも被り、滝身を直登する。カッパで水流の直撃を免れるだけで、随分と違うものだ。

▲倒木の滝
▲分岐している滝

完全に水流が途絶えてから、1時間弱の詰め。思ったよりも長い。数ヶ所、密生した根曲り竹の猛烈なヤブ漕ぎに見舞われる。特に登山道手前が酷く、眼鏡を紛失しそうになる。たまたま登山者が通りかかって「この暑いのにヤブ漕ぎとは大したものですね!熊か猪がいるのかとびっくりしましたよ!」とねぎらいの言葉(?)をいただく。

▲行く手を阻む根曲り竹
▲登山道から見える氷ノ山山頂

登山道に出て約10分で山頂。残念ながらガスで展望なし。山頂の避難小屋は改修工事中だ。少し水を飲んですぐに下山。広く快適な登山道を1時間半ほど歩いて駐車場に到着。時刻は12時半。駐車場は満車だ。万灯の湯(800円)で汗を流し、氷ノ山IC手前の道の駅でスイカを1玉買って帰宅。

▲スイカは甘くて家族に好評でした

感想

今回、僕にとって初めの単独沢登りだった。水流に対する本能的な恐怖心があり、滝身に入って水を被った瞬間の息が詰まる感じには相変わらず慣れない。45m滝の登攀は本当に緊張したし、伏流の音が登山者の声に聞こえることもしばしばあった。心細くなかったと言えば嘘になるけれど、行く前に想像していたほどには不安を感じず、期待以上に充実感が大きかった。単独行には独特の奥深さがある。

備忘録

  • 眼鏡の予備を車に常備しておいた方が良いかも。単独行のとき、もし山で眼鏡を紛失したら(ヤブ漕ぎで紛失しかけた)、帰りの運転ができなくなる。
  • ヒルは見かけなかった。釜に魚影を何度か見かけた。カエルもけっこう見かけた。