雪彦山 加古川~紅菱会ルート(2021-10-23)

最終更新日


地蔵岳正面壁を中央突破する3ピッチの加古川~紅稜会ルート。2017年にエイドで登り2020年2021年に核心ピッチを掃除して、今回ようやくフリークライミングができた。

メンバー

崎間(単独)

行程

  • 2021-10-23(土)
    06:50 加古川市
    08:00 賀野神社
    08:40 地蔵岳正面壁取付
    09:45 1ピッチ目終了点
    10:15 登り返し終了
    11:15 2ピッチ目終了点
    11:35 登り返し終了
    11:40 3ピッチ目終了点(地蔵岳山頂)
    11:50 登り返し終了
    12:35 賀野神社

詳細

なんだかんだで4度目となる紅菱会ルート。手塩にかけて掃除したので愛着が湧いてきた。前の2回は、掃除するために地蔵岳山頂から懸垂下降して取り付いたけれど、今回はきちんと下からアプローチする。

1ピッチ目(5.10c)

4年前にフォローで登ったきりのピッチ。今回はロープソロなので、まずはしっかりした支点を設置する。壁の基部にリングボルトの支点はあるものの、墜落に耐えられるか心もとない。少し斜面を下がった所にある太い木にスリングを巻き付け、ショックアブソーバーを取り付ける。60mロープを詰めたバックを背負い、ロープソロシステムのセッティングを入念に確認し、下部のざらざらした壁に向かって離陸。

最初は階段状で登りやすいものの、徐々に傾斜が立ってくる。10m程登ってステンレスハンガーのボルトにクリップ。しっかりした支点が出てきたということは、ここから難しくなるということだ。ホールドがいちいち逆層なので、しっかり掴めている感覚がなく怖い。しかし天気は快晴、地蔵岳正面壁には僕1人。なんと爽快だろうか。 この広大な岩壁を独りきりで登れることの充実感。

傾斜が切り替わるあたりが難しく、ロープソロで落ちるのも怖く、思わずA0してしまう。朝イチで5.10cはなかなかに厳しい。上部の腐ったビレイ点を過ぎたところもワンポイント悪く、こんなに難しかったかなあと思いながら1ピッチ目終了点に到着したころには出発から1時間が経っていた。

ロープソロはここからが忙しい。支点にロープをフィックスし、ロープバックを置いて、グリグリを通常の向きにセットし直し、途中のランナーを回収しながら懸垂下降。下まで降りて、出発地点のアンカーを回収したら、今度は登り返す。終了点はしっかりしているので、ベーシックにフットテープを取付けて、傾斜が急なところはユマーリングする。再び1ピッチ目の終了点に戻ってくるまで30分かかってしまった。

▲1ピッチ目のビレイ支点とショックアブソーバー
▲地蔵岳正面壁の下部は逆層が多い
▲ルートの3/4辺りにある腐った支点(もう少し登ればしっかりしたアンカーがあるので通過)

2ピッチ目(5.11b)

2017年にはじめてこのルートを触ったときは、あらゆるホールドが苔にまみれ、触るとボロボロと剥がれるので、諦めてリングボルトでのA0に切り替えた。問題の苔はもうない。やっとこのピッチをフリークライミングするスタート地点に立てた。ルート上に苔はなく、濡れてもおらず、ベストコンディションだ。2017年時点でふかふかの苔だらけだった光景と、2020年・2021年の2回の掃除を思うと、なかなかに感慨深い眺め。

ロープソロのシステムが機能することを信じ、ジリジリと高度を上げていく。2ピン目にクリップ。ここからが核心だ。小ハングを乗越すバランスが悪く、早速フォールしてしまう。ショックアブソーバーが機能してくれたのか、気持ちよくふわっと止まった。

ここで計2回墜落し、3度目の正直で3ピン目に渾身のクリップを決める(ロープソロはクリップの手間が体感2~3倍になる)。なんとか壁にとどまり、左右の腕を交互にシェイクし回復に努める。左へトラバースする部分は、掃除のときに確認したムーブでなんとか抜ける。ここまでくれば、あとはなんとかなるはずなので、十分にレストしながら、ロープの繰り出しに気を付けながら、登る、登る。

上部のクラックの下でレストしながら、下部支点側のロープを引いてみると、ものすごくたるんでいる。これでは墜落したらどれだけ落ちるか分からない。途中のヌンチャクに半マストを1つ入れていたけど、改めて近くのヌンチャクにも半マストをセットする。片手での半マストになれておらず、インクノットになってしまったり、ただグルグル巻になっただけだったりと手こずり、レストのつもりがパンプしてしまう。

クラックに指をかけ、レイバック体勢で登るも、力とともに自信もなくなり、ヌンチャクを掴んで、あえなくテンション。フォールしたらどれだけロープが流れるのかという恐怖に負けてしまった。残念。

クラックから上は徐々に傾斜が落ち、簡単になる。リングボルトの支点を通過し、凹角状を抜けて、2ピッチ目の終了点に辿り着く。このピッチにも1時間かかってしまった。さて、回収に勤しむ。

懸垂下降し、ユマーリングで登り返す。このピッチは垂直部分が長いので、ユマーリングがとてもしんどい。太ももがパンプする。

▲2ピッチ目
▲物言わぬビレイヤー
▲2ピン目の上がバランス悪く難しい
▲ルートが長いとロープがたるんでしまうので、たまに半マストをかましておく
▲上部のクラック
▲リングボルトの怪しい終了点はあるけれど、もう少し登ればしっかりしたアンカーがあるので通過した方が吉

3ピッチ目(IV)

山頂までガバがつづくウイニングラン。とはいえ途中にはリングボルト1本しかないので慎重に登り、地蔵岳山頂に着く。例によって下降して登り返し、加古川~紅菱会ルートのクライミングを終える。

▲3ピッチ目はやさしい
▲マルチピッチの終了点が地蔵岳山頂というのはやはりいい

装備

60mシングルロープ、ロープバッグ、グリグリ、ハーネス上下、ベーシック、フットテープ、確保下降器、手袋、ヌンチャク×12、スリング適量、カラビナ適量、水、など。

感想

全ピッチのレッドポイントを目指していたけれど甘かった。1ピッチ目はA0したし、2ピッチ目は核心を越えてからテンションしてしまった。考えてみれば最近はジムで申し訳程度のボルダリングしかしていなかった。なぜ完登できる自信を持っていたのか自分でも不思議だ。猛省を促したい。

でもまあ、ロープソロのシステムがきちんと墜落を止めてくれることが確認できたし、核心のトラバースムーブはこなせたし、その後もパンプに耐えつつクラックまでは粘ったし、なにより一人でマルチピッチを登れることが楽しかったので、いいクライミングになったと思う。