EvernoteからUpNoteへ

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Evernoteについて

「全てを記憶する」Evernote。緑の象アイコンが印象的なこのメモアプリは、クラウドにデータを保存し複数デバイスから情報を一元管理できる先駆け的存在だったと思います。

僕がEvernoteを使い始めたのは2011年、初めて買ったスマートフォンに1年分の無料ライセンスがついてきたので、アカウントを作って使ってみました。使いどころがイマイチ分からない時期もあったものの、あれこれ試しているうちに使用方法が定着し(具体例は後述)、毎日使う手放せない存在となりました。

しかしながら、Evernoteの仕様が徐々に変化し、それに伴い使いにくくなってしまいました。Mac、Windowsともに、最新版のアプリはオフラインで使えなかったり、アンドロイドのスマホアプリはノートを開けなかったり動作が遅かったり…。

幸い、PC版は旧アプリがLegacy版として残されているので、それを使っていますが、2023年に入ってから頻繁に最新版への更新を迫ってくるので、そろそろLegacy版も打ち切られてしまいそうです。

さらには、現在のスタンダードプランの年間料金が5,800円から9,300円に値上がりするとアナウンスされました。同期技術の向上とAIによるサポートが強化されるとのことですが、みんなそういうのを求めているのでしょうか。

UpNoteへの移行

コスト対効果を考慮した結果、10年以上お世話になったEvernoteから、比較的新しいメモアプリであるUpNoteに移行しました。UpNoteはEvernoteのようにサブスクで使うこともできるし、買い切りもできます。無料版もありますがノート数が50個までだったりと機能制限が多いので、本格的に使うなら課金する前提になりそうです。

サブスク型だと100円/月、買い切りの場合でも3,400円(Androide版からの購入額、2023年7月時点)と破格(サービスが継続されるのだろうかと心配になるくらい)の価格設定です。Evernoteに比べれば安いものなので、買い切りで購入しました。

データの引越は、EvernoteのLegacy版アプリからノートブック単位でエクスポートし、UpNoteにインポートすることで簡単にできました。なお、Legacy版でないEvernoteアプリからだと一度にエクスポートできるノート数が50までという制限があるため、Legacy版の方が便利です。

UpNoteのいいところは、なんといっても動作の軽さです。スマートフォン版のEvernoteアプリでは、起動を待っている間にメモしたいことを忘れることすらあったので、UpNoteの軽快さはありがたいです。ノートに画像を貼ると自動的に圧縮してくれるのも便利。

Mac版やWindows版のアプリは、EvernoteのLegacy版とだいたい同じ感じで使い勝手がいいです。ただし、ノートブックをドラッグで移動できなかったり、ScanSnapと連携できなかったりと、EvernoteにできてUpNoteにできないことももちろんあるので、今後のアップデートに期待しています。

メモアプリをどう使うか

僕がどのようにEvernoteを使っていたかを振り返ってみます。大きく分類すると、用途は以下の3つです。移行先のUpNoteも同じ使い方をする予定です。

  1. 日記:日々のメモ。山やクライミングに行ったときは日付単位で記載する。トレーニング状況も記録。溜まりがちなレシート類は、スキャンして紙を捨て、日記内に画像として貼り付ける。
  2. 勉強ノート:読んだ本のうち覚えておきたいことをメモ書きしたり、読んだだけでは頭に入って来ない内容を写経したりする。ソフトウェアの設定など、後でまた使いそうな内容も書く。特定のテーマ毎に、勉強したことや考えたことを書き足していくノートもある。
  3. リスト:買い物リスト、クライミングシューズのサイズリスト、登りたい山やクライミングルートのリスト、出張や旅行の持ち物リストを作成する。

最も良く使っているのは日記です。必ずしも毎日ではないけれど、まあまあ書いていて、数えると2011年から2023年までで1500日分くらいありました。

勉強ノートは、Evernoteのようなメモアプリ登場以前はテキストファイルやWordファイルに書いたものをフォルダに分類して保存していました。この方法だと、どこに何を保存したのか分からなくなりがちで、似たような内容のファイルが増えて不便でした。これらをメモアプリで管理すると、このなかのどこかにあるはずと確信を持てるし、全体をまとめて検索できるので非常に便利です。

このブログの記事のうち、山行記録や雑感は「日記」が、クライミング金属材料等の考察系は「勉強ノート」が下書きになっています。日記は簡単にしか書かないこともありますが、なんらかの大きなイベントは記録しているので、それを足掛かりにすることで記事が書きやすくなります。

ブログ記事にしたいと思っている勉強ノートがいくつもあるのですけれど、どれも中途半端な状態で手が止まっています。いずれは日の目をみせたいと思うのですが。

リストは定期的に見直しています。例えば、クライミングシューズのサイズを1箇所にまとめておくと、買い替えるときなどに便利です。

上記以外にも、よく分からない情報をとりあえず保存しておく場所、Webクリップの保存場所、雑誌記事のスクラップ場所としても使用しています。ただし、これらはあまり見返すことがないので、なくてもいい情報なのかもしれません。

記憶のトリガー

レシート情報をスキャンして保存しておくと、けっこう情報量が多いです。レシートには買った商品の名前と値段、店舗名、購入日時が書いてあるので、子どもと一緒に出かけたショッピングモールの本屋のレシートがあれば、ああ、あのとき一緒に行って、せがまれて本を買ったっけな、なんでことがわりと克明に思い出せます。

レシート情報のみならず。嬉しかったこと、達成できたことを断片的にでも日記に書いておけば、そのキーワードをきっかけに一連の出来事を芋づる式に思い出せます。逆に、もう思い出したくないような出来事は記録しなければ、思い出す機会が減って、いずれ忘却できます。

記録しては読むという行為を繰り返すと、自分にとって価値のあることが、記憶として強化されるように思います。自己暗示みたいなものでしょうか。メモアプリは、自分が進みたい方向に進むことを補助する自己暗示ツールであるとも言えます。