雪彦山 地蔵正面(2025-03-23)

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ここ1ヶ月、Flutterでのモバイルアプリ開発や、Next.jsでのWebサイト構築を勉強している。自分で作ったアプリがスマホできちんと動作し、さらにはクラウド上で複数端末からのデータを共有できることがとても面白く、家に引きこもることが多くなっていた。もともと僕はインドア派なので。

そうはいっても、天気がいい日にずっと家にいるともったいない気持ちになってくる(し、なんとなく罪悪感を感じる)。

という訳で、久々に雪彦山の地蔵岳正面壁にある加古川~紅菱会ルートを登ることにした。こんなとき、1人でふらっと出かけられるのがロープソロの利点だ。

9時過ぎに自宅を出て、地蔵正面の基部に11時前に到着。立木にアンカーをセットし、グリグリとマイクロトラクションでロープ確保し、クイックドローを多めに装備していざクライミング開始。 1ピッチ目(5.10c)は逆層でホールドが乏しい垂壁。古いリングボルトやハーケンと、新しいハンガーボルトが混在する。当然ながら、ハンガーボルト(しっかりしたプロテクション)がある部分は難しい。

▲快晴

核心部分ではロープが20mくらい出ているので、ロープソロのシステム上、弛みが大きくなる。かなりの「だらりんビレイ」状態で突っ込むのが恐ろしく、例によってテンションを入れてしまう。余り登られていないらしく、ホールドの状態は良くない。ボルトにぶら下がりながら、苦し紛れにホールドの苔を払う。 一休みの甲斐あって核心をフリーで抜け、上部へと進む。

途中の古い終了点(水平に4連打されたリングボルトに水平にスリングがかけてある代物)を越えて、あとは階段状だな、と思った辺りで下を見るとロープがあと5mくらいしか残っていない。終了点までは、簡単だけれど10m以上はある。そうか、前登ったときは60mロープでほぼいっぱいだった。

ときすでに遅し、無い袖は振れない。ロープの長さ以上には登れない。 想定外の事態にちょっと混乱する。落ち着かねば。古い終了点でピッチを切る手もあるものの、余り荷重をかける気にはなれない。無理はせず、隣のルートの支点で懸垂下降して切り上げることにする。カラビナ1枚を残置して古い終了点まで下降し、そこからトラバースして隣のルートの支点へ移動してロープをフィックス。

▲隣のルートの終了点(ナットが錆びてる)

クイックドローを回収しながら基部まで降り、出だしのビレイ支点を解除して、先ほどの終了点まで登り返す。こちらのルート(セッピコルネッサンスの1ピッチ目、5.10b)の方が、ホールドが明瞭なので、加古川~紅菱会ルートの1ピッチ目に比べるとずいぶん登りやすい。楽しい。

登り終えて、懸垂下降すると、50mロープシングルで(つまり25mで)ギリギリ取付まで戻ることができた。結局、1ピッチしか登っていないけれど、事故無く無事に降りてこられたので大成功だ。展望岩で写真撮影などして帰途に着いた。

▲ロープぎりぎりで下降