御在所岳 カリフォルニアドリーミング (2018-05-26)

最終更新日

メンバー:S間(L、記)、S橋

概要

昨年、前尾根に登った際によく見えていた中尾根バットレスの巨大な滑り台、カリフォルニアドリーミング。この見栄えのするラインに登ってきました。

  • 2018-05-26(土) [晴れ]
    05:00 S橋さん宅(集合) → 06:50 スカイライン駐車場 → 07:10 藤内小屋 → 07:40/08:00 カリフォルニアドリーミング取付き → 10:40同終了点 → 11:20同取付 → 11:30/12:30 一の壁 → 13:10/14:20 うさぎの耳 → 15:00 駐車場 → 17:00 S橋さん宅(解散)

詳細

(1) 中尾根バットレス カリフォルニアドリーミング

テスト岩から左の尾根沿いを登り、一の壁を経て中尾根バットレス基部に到着。先行2名1パーティーが居たものの、別ルート狙いのようで(3段ハングの被ったフィンガークラックにトライされていた)、カリフォルニアドリーミングは我々の貸切状態だ。ロープはシングル50mとし、セカンドが下降用50mダブルロープ1本、水、カム1セット、アブミを入れたザックを背負って登る。ジャンケンでリードの順番を決め、クライミング開始。

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中央奥が中尾根バットレス

1p目(5.10a、S間リード):右のカンテから登ろうとするも悪く、左の濡れたワイドクラックから離陸する(こちらが正規ルートのようだ)。シューズが濡れるので緊張感が高まる。微妙なトラバース、やや遠いボルト間隔、久々のスラブということで、非常に真剣なクライミングとなる。一か八かのスローパーへのデッドが決まり、なんとか気合でOS。

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1p目のスラブ

2p目(5.10b、S橋さんリード):直上ラインのウィンドサーファーを登る。出だしの小ハングもさることながら、途中からホールドらしいホールドが無くなるどスラブだ。ここもなかなかのボルト間隔。S橋さん、気迫あふれるクライミングでOS。

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2p目の出だしは小ハング

3p目(5.10a、S間リード):トポをみると一番右が5.11aで、その左が5.10aとなっているが、1ピン目から悪くてとても5.10aには見えない。最近拓かれたルートなのだろうか。左に大きく巻いて右上するラインが5.10aだろう、ということでこちらを登る。フレークにキャメ0.4を決め、あとは適度なボルト間隔のフェイスを適度に散在するホールドを繋いでOS。

4p目(5.12a/b、S橋さんリード):核心ピッチ。フリーではとても厳しそうなのでアブミを出しA1で登る。1ピン目までのトラバースをこなせばあとは短い間隔でボルトが並んでいるのでアブミ1本で抜けられる。上部はフレーク沿いでボルトがないのでカムが必要(キャメ0.5~1くらい)だが、手持ちのカムがなかったS橋さんはランナウトで解決していた。ランナウトは技術ですね。

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5.12a/bのスラブ(フリーのルートは左に巻きます)

5p目(5.9 NP、S間リード):ブッシュがうるさいランペを右上してコーナークラックへ。ハンドサイズだけど角度が悪くてなんだか登りにくい。おまけに取付きがドロドロしているので靴が滑る。ということでテンションとA0で突破。キャメ3、2、0.75の順に使用。

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5p目はアルパイン的

6p目(5.10d NP、S橋さんリード):5p目終了点を中途半端な所にとってしまっていたので、広いテラスを横断した場所まで数メートル歩いてからクライミング。うす被りのハンドサイズで右上してクラックが広くなると、クラックが左に折れる。この辺りが難しい。キャメ1、3、4、0.5、3くらい。さすがのS橋さんもOSならず。僕は当然のようにテンションとA0(それでも厳しかった)。

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最終ピッチのクラック

最後のクラックを抜けると平らな岩頭に出た。握手を交わし、クライミングシューズを脱いでスラブとクラックで痺れた足をほぐす。下降は50mダブルで(1)6p目終了点→4p目終了点、(2)4p目終了点→1p目終了点、(3)1p目終了点→地上、の3回の懸垂で取付きに戻った。60mダブルなら2回の懸垂でいけそう。

(2) 一の壁、うさぎの耳

まだ午前中なので、中尾根バットレスのすぐ近くにある「一の壁」を登ってみる。100岩場のトポと見比べるものの、どうも実物と位置関係が合わない。5.10cのルートに狙いを定めて取付く(後で周りの人に確認すると、僕が登ったのは最近追加された「7ルート 5.10a」とのこと)。ムーブはさほど難しくはないものの、とにかく長いので、先ほどまで6ピッチ分クライミングシューズを履き続けた足が悲鳴をあげる。ボルト間隔も近くはないので、足指の痛さとあいまってけっこう緊張する。持って来ていたヌンチャク12本をすべて使い果たし、それでも1本足りなかったのでボルトにスリングを通してプロテクションを取る。ギブアップしそうになりながら、バンドにトップアウトしてどうにかOS。S橋さんをフォロービレイし、歩いて一の壁取付きに戻る。

長いルートは足が痛いので、登山道の途中にある「うさぎの耳」で登ってみることにする。前から気になっていた岩だ。2つあるクラックラインのうち、登山道側にある「ウェイクアップ 5.10-」にS橋さんがトライ。どちらかというとフェイスムーブで、プロテクションはカム。あまり簡単そうではないけれど、パワフルなムーブで見事OS。僕もフラッシュトライしてみたものの、中間部の処理が上手くできずフォールしてしまった。トップアウトして回収。

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うさぎの耳「ウェイクアップ 5.10-」

別パーティーで前尾根を登られていたI岡さん夫妻がちょうど下山中だったので、合流して一緒に下山する。少々疲れたが、気持ちのいい1日となった。

感想

カリフォルニアドリーミングは、見事なエプロン状の岩に引かれた弱点を突くラインと、適度に遠いボルト間隔と、フリクションに優れた良質の岩という、米国カリフォルニア州のヨセミテ渓谷を想わせる何度も登りたくなるルートでした。我々が下降してしばらく後、かなり上手そうなクライマーが核心ピッチをフリーで登っているのが遠望でき、何度かフォールしていましたが、最終的にはフリーでムーブ解決して突破したようです。自分もああなりたいと感銘を受けました。次回登る際は、フリーでの可能性を探りたいと思います。

初版:2018-06-01、最終更新:2018-06-01