小田原川本谷 (2020-06-21)

最終更新日

姫路市の北に位置する砥峰(とのみね)高原にある初級者向けの沢へ行った。今シーズン初の沢登りだ。

メンバー

単独

行程

  • 2020-06-21(日)
    06:50 高砂市
    08:00 駐車スペース
    08:15 遡行開始
    10:00 黒岩滝
    10:30 車道(遡行終了)
    11:30 駐車スペース
    13:30 高砂市
▲地形図

詳細

アクセス

播但道を神崎南ICで下り砥峰高原に向かう。砥峰高原という観光地に近いためか、山間部だというのに立派な2車線の車道が整備されていて運転しやすかった。小田原川沿いのつづら折れのヘアピンカーブから林道が伸びており、そこから入る。車は、林道入り口から徒歩5分ほど手前の砂利のスペースに停めた。

沢登り

林道を少々歩くと沢に橋がかかっており、橋を渡った地点から入渓。初級者向けとはいえ、沢に入る瞬間はいつも緊張する。ドキドキしながら沢靴を水に着ける。幸いにも梅雨の中休みで青空がまぶしい。スネくらいまで水に浸かり、水の音にビクビクしながら歩き出す。

▲涼し気な水流

5分程歩いたあたりだろうか、立ち止まって写真を撮っていると、ふと、嗅いだことのある匂いがした。線香の匂い?そんなわけ無いかと一段上がると、ボルダリングしている方々の姿が見えた。こんなところにも開拓が!と感心してしまう。先程嗅いだ匂いは、彼らの蚊取り線香だったようだ。

まだまだ沢に慣れない体。一人で沢を歩くと、どうにも周囲の状況に警戒しすぎてしまう。最初の1時間くらいは、正直、緊張感が大きすぎて楽しめなかった。
簡単な滝を越えて、広い台地状の一枚岩に出た。あまりに居心地が良さそうなので、この日はじめて腰を下ろす。朝に沸かしてテルモスに入れて持参した白湯を飲み、行動食のおにぎりを食べる。緊張がほぐれて水流を眺める。食料があるし、温かい飲み物もある。今日は沢登り来て良かったとなと思う。

▲腰を下ろして一息つく

もう一登りすると、なんだか辺りが緑に観えた。ふと上を見上げると、広葉樹が陽光を透かしていた。辺り一面が緑な訳だ。

この沢には大きな滝もないし、泳いで突破しないといけない場所もない。それでも、忠実に水流をたどるとそれなりに登りごたえがある。万が一にも怪我をする訳にはいかないので無理はできないものの、水流から離れすぎると(巻きすぎると)沢登りに来た意味がない。ちょっとした葛藤もまた楽しい。

▲比較的深そうな釜

何箇所か深そうな釜がある。水は少々白っぽく濁っているし、気温も余り高くないので泳ぐ気になれず、へつって進む。こういうとき、けっこうボルダー力が役立つ。ヒールフックからのマントリング的なムーブも活用できる。足繁くボルダリングジムに通っている甲斐があるというものだ。

二俣になった少し先に、この沢最大の落差を持つ黒岩滝がある。10時頃到着。滝を眺めながら行動食のグリルチキンを食べる。黒岩滝にホールドはそれなりにありそうだし、水量はさほどでもないので直登したい気持ちに駆られるものの、実際行ってみたら難しいかもしれないし、ロープもないしパートナーもいないので、無理せず左岸の岩場を登る(こちらもそれなりに高度感あり)。

▲黒岩滝

核心部の黒岩滝を越えると、穏やかな沢が上部の車道まで続く。後半になってようやく沢に慣れてきた感じ。テレワークだとかSNSとかが全盛の時代だけれど、人間そのものは単なる生物に過ぎないということを、誰もいない沢を歩きながらなんとなく考える。

高度を上げるにつれて、バイクのエンジン音が響いてくる。そろそろ車道が近づいてきたみたいだ。沢を詰めた先にある人工物(車道と駐車場)に面食らいながら、どこかホッとしながら、遡行を終える。

▲終着地点

下山

沢沿いの登山道を下ると入渓地点まで戻れる。上部駐車場から黒岩滝まではしっかりした道標がある。そこからしばらくは不明瞭だったり谷側が切れ落ちていたりするけれど、テープを見失わなければ概ね歩きやすい。

▲下山道もなかなかのものでした

感想

半年以上振りとなる沢はやはり緊張したので、簡単なエリアを選んで正解だった。遡行を開始して30分程は、緊張と恐怖で凄くドキドキした。歩くにつれ、手も足も水流の冷たさに慣れ、ボルダリングジム通いで養った体の動かし方が沢でも通用すると分かってから、次第に楽しめるようになってきた。遡行時間3時間、下山1時間とコンパクトに楽しめるエリアだった。新緑と青空に癒された。