登る度に発見がある

最終更新日

播磨アルプスの岩場に通っています。2022年11月19日以降、毎週1回、8週連続で行きました。今のところ、2つのルートを登っています。1つは5.9くらいのボルトルート(M10オールアンカーのみが先人によって埋設されていたルート)、もう1つは初登を目論んでいるクラックルートです。

岩場に着いたら、ボルトルートをリードしてロープソロシステムの感覚を思い出し、続いてクラックルートにレッドポイントトライする、というのが最近の流れです。ボルトルートは、その日の最初に登る以外にも、クラックルートを掃除するときや登れなかった(途中でフォールした)時に、ルート上部へのアクセス経路としても登るので、累計15回くらい登っています。

▲ボルトルートの上部スラブ

僕がこの岩場に通い始めた頃は、ルート全体が砂っぽくて苔も生えていたので、使うホールドを探してブラッシングして、やっとまともに登れるようになりました。ブラッシング済のホールドだけを使っているので、毎回同じホールドなのですが、登る度に、前回よりも楽に登れるようになっています。ホールドにかける指を変えるとか、持つ角度を変えるとか、少しの工夫でちょっとずつ登りやすくなってきます。

ロープソロに慣れていないときは、システムへの信頼感が低かったので、がむしゃらにホールドを握り込んで登るのみでした。何度も繰り返すと、徐々にシステムに慣れてきて、登り方を洗練させる工夫をする余裕が出てきました。先日は、核心部にフットホールドを新しく見つけ、劇的に登りやすくなりました(その状態で5.9くらい)。

フットホールド自体はいつも同じ場所にあったので、何度も登っていたにもかかわらず、僕がその存在を認識できていませんでした。核心部ということで、周りを見渡す余裕がなく、大事な情報を見落としていたようです。余裕があるときに見返すことが大切でした。

できるようになったと思っていたことでも、まだまだ、改善の余地はあるものです。進歩とは、そういった地道な改善の積み重ねなのかもしれません。

▲ロープソロはギアが増えがち

肝心のクラックルートは、すべてのムーブが解決し、リードでのトライを開始しています。昨日(2023年1月4日)に完登を狙っていたものの、やはり上部フェイスでフォールしてしまいました。前傾クラックからフェイスに移るムーブでは失敗しなくなったのですが、その部分で力が入りすぎて消耗してしまい、上部フェイスで力尽きています。

次の1手、右手デッドが成功すれば、そこから上は徐々に簡単になるので、実質的にあと1手です。どうせ落ちるなら、1手出してから落ちればよかったと後になって思うものの、登っている最中は強い恐怖を感じて実行できなかったので、まだ力が足りていませんでした。もう少し体重を落として、もう少しフェイスクライミングの力を付けて、なんとか今シーズン中に登り切りたいと思います。

▲クラックルートの核心部周辺、前傾クラックからフェイスに移った所