過去の自分に励まされた
去る3月下旬、久々の海外出張でイギリスに出かけた。出張の目的は国際会議への参加。僕もちょっとした発表をする必要があった。
海外へ行くこと自体が6年ぶりで、出張システムが変わっていたり忘れていたりでなにかと準備に時間がかかった。発表内容はかつてないほど直前まで固まらず、しゃべるセリフをまともに考え始めたのは出発の前日からだった。
僕は英語が得意でないので、説明内容すべてをひたすら繰り返し発表練習して覚えることにしている。クライミングで言えば、ハングドッグしてパートごとにムーブを固めるレッドポイントトライに相当する。
とにかく原稿を固めないといけない。大勢の専門家の前できちんと説明できるだろうか。不安が募る。失敗したらどうしよう。逃げたい。
こんなとき、以前の僕はどうしていたかなと(Evernoteから引っ越した)UpNoteの記録をスマホで調べてみると、2018年4月にアメリカの国際会議へ出張したときの日記があった。
当時の僕は、いろいろな有識者に怒られつつも、発表スライドを何度も修正し、原稿を練り直し、1人でぶつぶつと発表練習を繰り返していた。最終的にはそれなりに発表をこなし、どうにかミッションを達成していた。
もう6年も前のことだけれど、日記を読み返してみると、当時の状況や、自分が考えていたことをありありと思い出せた。頑張っていたんだな、よし、今の僕も頑張るかと、残された時間を最大限に使って、言い回しを修正し、スキマ時間に通しでの発表練習を繰り返した。
1回あたり12分くらいかかる発表練習を10回ほど繰り返すと、説明内容を覚えてくるので飽きてくる。飽きてくるともう安心だ。さらにダメ押しで11回、12回と練習を刻む。6年前の自分の頑張りに負けじと。
かくして、発表自体はまあ、悪くなかったと思う程度にはこなせた。その後の質問タイムは苦痛であったけれど、どうにかなった(と思う)。
今回ほど、日記を書いていてた自分に感謝したことはなかった。過去の自分に励まされた。今後も、辛いことを乗り越える過程で日記を書こう。きっと未来の自分の助けになるだろうから。