荒地山のボルダー(2022-06-12)

最終更新日

メンバー

崎間(単独)

行程

  • 2022-06-12(日)晴
    08:40 芦屋川駅
    08:50 高座の滝
    09:30 キャッスルウォール
    10:00 テーブルロック
    09:50/10:20 ビッグボルダー、ハンドジャムクラック
    10:25/10:40 サンデーモーニングスラブ
    10:50 荒地山
    11:30 雨ヶ峠
    12:20 一軒茶屋
    13:30 瑞宝寺公園
    13:50 有馬温泉駅

詳細

(1) アプローチ

芦屋川駅から六甲山を目指す。晴天の日曜日なので駅前は登山者でごった返している。黙々と高級住宅街を歩く。2020年8月の大峰で痛恨の道迷いをして以来、山へ行くときは必ずGARMINのGPS端末を持つようにしている。今日は、電源を入れたけれどなかなかGPS信号を捕捉してくれない(たまにこうなる)。スマホのGPSはしっかり機能しているというのに。何度か電源をON/OFFして、高座の滝あたりでやっと現在地が表示され、ロギングできるようになった。

高座の滝を過ぎ、ロックガーデンへの登りをしばらく進んで分岐を右に折れ、沢沿いにけっこう歩くとキャッスルウォールが突如として現れる。その名のとおり城壁を連想させられる立派な壁だ。今回はロープ装備がないので、壁の左側を迂回して上に行く。展望が開けた場所に出て、北に目を向けると、山腹にポコポコと大きな岩が点在しているのが見える。特徴的な形状の「ビッグボルダー」の上に2人のクライマーがロープを張っている様子も伺える。目的地までもうすぐだ。

▲荒地山のボルダーを遠望

(2) 荒地山のボルダー

遠そうに見えたボルダー群は、少し歩くと着いた。新七右衛門岩穴の側壁を登り、ハイカーがくつろぐテーブルロックを見送って、ビッグボルダーに到着。中央に逆くの字にクラックが切れ込んでいて、上部は快適そうだ。しかし、下から見上げるビッグボルダーはかなり高く、ロープなしに取付く勇気が僕にはない。下部がちょっと悪そうだし。できればカムでプロテクションを固めながらリードしたい。という訳で、ビッグボルダーは見学だけにして、もう一つ目星を付けていたハンドジャムクラックを探す。位置関係がよく分からず、上に行ったり来たりうろうろと迷ってしまう。

▲ビッグボルダーを左下から(ロープは先行パーティーのもの)

結局、ハンドジャムクラックはビッグボルダーのすぐ下にあった。クラック自体は目測3m弱、これならなんとか登れそうだ。使い古したテーピングを両手に巻き、クライミングシューズの紐を締め、いざ。クラックは斜面を少し上がった所にあるので、取付いてみるとけっこうな高度感で体がこわばる。クラックは全体的に広めだけれど、場所を選べばしっかりハンドジャムが決まる。右、左、右と(逆だったかも)3手ほど繰り出し、マントルを返すとビッグボルダーの基部に出る。気分的にはちょっとしたフリーソロだ。長らく味わっていなかったドキドキ感は六甲の冷涼な風に流され、充実感だけが残る。せっかくなのでもう一回登っておく。

▲ハンドジャムクラック

さらに上部へ移動すると、サンデーモーニングスラブの岩場に到着。ライオンのようなタテガミの茶色の猫が1匹、ノーマルな茶トラの猫が1匹いた。僕のすぐ後に来た方が慣れた手付きでカリカリを与えておられたので、ここで飼われているのだろうか。

サンデーモーニングスラブもかなり高さがある。ボルダリングするには相当な勇気がいりそうだなあ、と眺めながら、行動食のおにぎりを食べる。人が増えてきたので撤収。

▲サンデーモーニングスラブ周辺(上から)
▲サンデーモーニングスラブキャット

(3) 下山

かなり時間が経ったと思いきや、時刻はまだ11時前。時間に余裕があるので有馬へ抜けることにする。雨ヶ峠、七曲り、通い慣れた道を黙々と進む。登山道は幅広い年齢層の人々で溢れ、大賑わいだ。一軒茶屋に着き、道路を渡ると、とても広い休憩スペースができていた。しばし休憩。

魚屋道から有馬に下山途中、行ったことがない道を通ってみようと分岐を折れて、瑞宝寺公園につながる筆屋道へ進む。この道は今回の山行中最も人が少なく、適度に荒れていて、最も安らげた。やはり僕は、人が少ない森の中を歩くのが好きなのだ。初めて訪れる瑞宝寺公園は新緑に彩られていた。立派な東屋で荷物を整理し、帰りの電車に備えて、汗にまみれたTシャツを新しいものに着替える。

▲筆屋道
▲瑞宝寺公園

感想

荒地山に行こうと思ったのは、本屋でふと「六甲岩めぐりハイキング」を立ち読みしたのがきっかけだった。ポップな表紙とは裏腹に、六甲の岩場や登山史についてのマニアックな内容だったので即購入。荒地山のボルダーについても詳しく解説されおり、興味を持った。

これといってクライミングの目標もなく、ジムに通う気力もない日々を過ごしているけれど、山歩きしながら岩を眺めるのは楽しいだろうと思えた。実際、今回は久しぶりに楽しい山行だった。途中でクラッククライミングできたことも、刺激があって良かった。趣味を楽しめるということは、やっと、精神的疲弊から回復してきたということだろう。