飴を片手で食べる方法
登山やクライミングの代表的な行動食は飴だ。個包装されたものをポケットに入れておくと食べやすい。アルパインクライミングではゆっくり食事できない場合が多いので、行動時間が長くなればなるほど体力を消耗してしまう。ロープをさばいているときなど、ちょっとした間に飴を一つ舐めるだけでも、体力と気力が少し回復する。
そんな飴だけれど、両手を使って個包装から出すのがもどかしい。両手で開けると端っこが切れてゴミが飛んで行くことがあるし、雪山だと手袋が邪魔でそもそも袋を開けられない。
そこで便利なのが、片手で飴を食べる方法で、
- 飴の袋の端を片手でつまむ
- つまんだ指に力を入れて空気を寄せ、袋をパンパンにする
- 袋ごと口に咥え、袋の上から飴玉を前歯の内側に挟み込む
- 手に力を込めて袋を破裂させるとともに、前歯で飴玉を掻き出す
というものだ。袋をつまんで内圧を高めるタイミングと、前歯で飴玉を掻き出すタイミングをいかにシンクロできるかで成否が左右される。
慣れてくればほぼ百発百中で片手で食べられるようになり、両手で開けたときのように袋の端が三角形に分離したゴミが出ないし、雪山でビレイ中に手袋をしたままでもスムーズに食べられる。とても便利な技だ。しかしたまに、いつもの調子で噛み付いても袋が破れないタイプの飴もあり、いったん失敗すると両手でも開けづらくなって、なんとも残念な気持ちになる。